「もっとリハビリしたいけど、病院のリハは終わってしまった」
「親が脳卒中の後遺症で、家に閉じこもりがち」
「まだ40代だけど、デイサービスって使えるの?」
そんなふうに検索して、この記事にたどり着いた方へ。
私は うめあかり 、現在リハ特化型デイサービスで 勤務しているST です。
実は私自身、初出勤して 「自分も知らないことが多くてビックリした」 ことがいくつもありました。 40代の利用者さんがいる こと、 要介護1〜2でも個別リハがしっかり受けられる こと、 料金が想像よりずっと安い こと。
この記事では、 「リハビリ目的のデイサービス」の種類・料金・利用条件・選び方 を、現役ST視点と公的データで整理してお伝えします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の利用は、お住まいの市区町村・ケアマネジャー・各事業所に必ずご確認ください。
【冒頭3行】こんな声に答えます
先に結論からお伝えしますね。
- 40代でも、特定の病気(特定疾病)に該当すれば介護保険でデイが使える
- リハ特化型デイの料金は、1回あたり500〜800円程度(要介護1〜2・1割負担の目安)
- 言語聴覚士(ST)が常勤しているデイは全国的にかなり希少 。
「年齢でデイは使えない」と思い込んでいる方が本当に多いんです。 でも、 使える道はちゃんとあります 。順番にお伝えしていきますね。
そもそも「リハビリ目的のデイサービス」って何?

「デイサービス」とひとことで言っても、 実は中身が全然違う 3つの種類があります。
💡 デイサービスって?:自宅で暮らしながら、日中だけ施設に通って介護やリハビリを受けるサービスのこと。介護保険を使って、原則1〜3割の自己負担で利用できます。
ここを知らずに「とりあえずデイサービス」と選んでしまうと、 「思っていたリハビリが受けられない」 ということが起こります。
3つの種類を整理
リハビリ目的で通える施設は、大きく分けて以下の3種類です。
💡 PT・OT・STって?:PT=理学療法士(歩く・立つなど身体機能)、OT=作業療法士(着替え・食事など生活動作)、ST=言語聴覚士(話す・食べる・聞く)。リハビリ専門職の3資格です。
ざっくりの使い分け
私の勤務先は 機能訓練特化型デイ にあたります。半日型で、利用者さんは リハビリだけを目的に通ってこられる スタイル。
「お風呂は自宅で入れるし、食事も家でとりたい。でもリハビリは続けたい」という方には、 このタイプがいちばんしっくりくる ことが多いです。
出典:ALSOK介護「リハビリ特化型デイサービスとは」 / あなぶきの介護「デイサービスとデイケアは何が違う?」
40代から使える!特定疾病16疾病とは?

ここが、 多くの方が誤解しているポイント です。
「デイサービス=高齢者向け」というイメージがあって、 「40代の自分には関係ない」と思ってしまう 方が本当に多い。
でも違うんです。
介護保険の対象年齢、実は2段階ある

介護保険には、 第1号被保険者と第2号被保険者 という2つの枠があります。
つまり、 40〜64歳でも、特定の病気に該当すれば介護保険でデイサービスが使える ということ。
特定疾病16疾病リスト(厚生労働省告示)
40〜64歳が介護保険を使うために該当が必要な、 16の特定疾病 はこちらです。
- がん(医師が回復の見込みがないと判断したもの)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
STリハの対象になりやすい疾病
私のような言語聴覚士の対象となる 失語症・嚥下障害・構音障害 は、特に以下の疾病から出てきやすいです。
- 🧠 ⑬脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)→ 失語症・嚥下障害・構音障害
- 🤲 ⑦パーキンソン病関連疾患 → 構音障害・嚥下障害
- 💪 ③ALS → 構音障害・嚥下障害・コミュニケーション支援
- 🚶 ⑧脊髄小脳変性症 → 構音障害・嚥下障害
つまり、 40代でも脳卒中の後遺症があれば、介護保険でSTリハを受けられる道がある ということ。
「年齢で諦めていた」という方がいたら、ぜひ ケアマネジャーさんやお住まいの地域包括支援センターに相談 してみてくださいね。
出典:
リハ特化型デイの料金|2026年5月最新版
「で、結局いくらかかるの?」というのが、いちばん気になるところですよね。
結論からいうと、思っていたよりずっと安い です。

ざっくりの自己負担イメージ
- 💰 要介護1・半日型 → 1回約 370〜800円
- 💰 要介護2・半日型 → 1回約 420〜850円
- 💰 要介護1・1日型 → 1回約 660〜1,500円
💡 加算って?:個別機能訓練加算・口腔機能向上加算・入浴介助加算など、 基本料金に上乗せされる費用 のこと。事業所のサービス内容によって変わります。
実際の自己負担は、 半日型なら1回500〜800円、1日型なら1回1,200〜2,000円 が目安。
食費・送迎費・その他
- 🍱 食費:介護保険対象外・実費500〜700円。リハ特化型半日型は 食事提供なしで不要
- 🚐 送迎費:基本料金に 含まれる(通常エリア内)
- ⏰ 延長料金・おむつ代:実費(事業所による)
月の利用上限について
介護保険には、 月に使える単位数の上限 があります(上の図解参照)。
この枠内で、 デイ+訪問介護+福祉用具レンタルなど、ぜんぶまとめてやりくり します。デイだけで使い切るわけではない点に注意してくださいね。
例:要介護1の人が 半日型リハ特化型デイを週2回(月8回) 通った場合、自己負担3,000円程度で、 支給限度額にはまだ余裕がある 計算になります。
出典:
リハ特化型デイは少ない?特にST常勤は希少
ここからは、 「数の話」 です。
「リハ特化型デイに通いたい」と思っても、 そもそも近くにあるとは限らない のが現実です。
全国のデイサービス事業所数
厚生労働省「令和4年介護サービス施設・事業所調査」によると、通所介護事業所は 全国に約24,000事業所 あります。
このうち 機能訓練特化型(半日型でPT/OT/ST等が個別機能訓練を行う形態)の正確な統計 は別カテゴリで集計されていませんが、業界推計で 全体の10〜15%程度(≒2,400〜3,600事業所) といわれています。
つまり、 10件のデイサービスのうち、リハ特化型は1〜1.5件程度 という計算。
ST常勤デイは「もっと希少」
さらに ST(言語聴覚士)が常勤配置されているデイは、極めて少ない のが実情です。
- 日本言語聴覚士協会の会員数は 約4万人
- そのうち介護保険分野の通所サービスに従事するのは 数%程度 とされています
- リハ特化型デイで多いのは PT(理学療法士)・OT(作業療法士)の配置
「リハビリ=身体機能」のイメージが強く、 「話す・食べる」のSTリハを提供できるデイは、本当に希少 なんです。
私の勤務先は ST2名が常勤 で配置されている、地域でも数少ない事業所のひとつ。初出勤して、 「ここまでST体制が整っているデイは、珍しい」 と素直に驚きました。
出典:
私の勤務先の特徴(一例として)
私が2026年5月から勤務しているリハ特化型デイサービスの特徴を、 「こういう体制のところもある」という参考例 として紹介しますね。
ST常勤+OT/PT複数体制が整っているデイは、 全国的にも珍しい部類 。「こういう事業所もあるんだ」と知ってもらえるだけでも、選択肢が広がります。
リハ特化型デイの選び方|現役STが見るポイント5つ

ここからは、 現役ST視点で「ここは絶対確認したほうがいい」と思うポイント5つ をお伝えします。
① 体験利用ができるか
ほとんどのリハ特化型デイは、 見学・体験利用を受け付けています 。
「雰囲気」「他の利用者さんの様子」「スタッフの関わり方」は、 実際に行ってみないと分からない 部分。
ケアマネジャーさんを通じて、 複数事業所を体験してから決める のが安心です。
② PT/OT/STのうち何人いるか
ここがいちばん大事なポイント。
求人や事業所紹介で 「機能訓練指導員配置」と書かれていても、資格は様々 です。

目的に合った資格者が配置されているか を、必ず事業所に直接確認してくださいね。
③ 時間(1時間・2時間・3時間)
リハ特化型デイは、 半日型でも事業所によって時間が違います 。
- ⏱ 短時間型:1〜2時間(集中して短く)
- 🕐 半日型:3〜4時間(最も一般的)
「短時間で集中したい」「長めにじっくり受けたい」など、 本人の体力と希望に合わせて 選びましょう。
④ 集団?個別?

リハの提供スタイルも、事業所ごとに違います。
- 個別リハ中心:1対1で専門職と取り組む(質は高いが、時間は限られる)
- 集団リハ中心:体操やパワーリハ機器を集団で(社交性も育つが、個別性は薄い)
- 個別+集団のミックス型:両方の良さを取り入れる
私の職場は 個別リハの時間がしっかり確保されている タイプで、私の感覚でも 「ひとりひとりに向き合えている」 実感があります。
⑤ 評価頻度(月1回・3ヶ月に1回・半年に1回)
「リハをやりっぱなし」では、効果は見えません。
質の高い事業所は、 定期的に評価を行い、プログラムを見直しています 。
- 📈 月1回 → かなり丁寧 ◎
- 📊 3ヶ月に1回 → 標準的 ○
- 📉 半年に1回 → ややゆるめ △
体験時に 「どのくらいの頻度で評価しますか?」 と聞いてみるのがおすすめです。
【現役ST視点】働き始めて気づいたこと
ここで、 私が勤務して気づいた本音 を、少しだけ書かせてください。
40代の利用者さんがいる驚き
初日、 40代の利用者さんがおられる と聞いて、まず驚きました。
私の前職は急性期病院だったので、 「介護保険=高齢者」 のイメージで染まっていて。脳卒中後遺症で40代の方がリハ目的でデイに通っている、というのが、 新鮮であり、嬉しい発見 でもありました。
「年齢で諦めない選択肢が、ちゃんとある」。 これは、ご家族にも知ってもらいたいことです。
利用者さんの自立度の高さ
私の勤務先の利用者さんは、 要介護1〜2が中心 。
- 杖や装具を使って ご自身で歩ける 方
- ご家族の送迎で ご自身で乗り降りできる 方
- 「もっと動けるようになりたい」と 意欲が高い 方
急性期や回復期の病院で見てきた患者さんとは、 また違う「リハビリの段階」 にいる方々なんだなと、肌で感じました。
個別リハの濃さ
そして何より、 個別リハの時間がしっかり取れる こと。
病院では1単位20分の枠で、しかも次から次に患者さんが控えていて、 「もう少し関わりたかった」 という気持ちを抱えながら終わる日も多かった。
リハ特化型のデイサービスでは、 その方の生活目標に合わせて、じっくり関われる 時間があります。これは、私自身も「現場で本当にやりたかったリハの形」に近いと感じています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 介護認定がまだ無い場合は?
まずは 市区町村の介護保険窓口、または地域包括支援センター に相談してください。要介護認定の申請から認定までは、 通常30日程度 かかります。認定が出るまでの間も「暫定ケアプラン」でサービス利用を開始できる場合があるので、 「とりあえず申請」が大事 です。自治体の福祉課などが窓口になります。
Q2. 特定疾病でなくても、40代でデイは使える?
原則として、 40〜64歳が介護保険でデイを使うには、16の特定疾病に該当する必要があります 。特定疾病に該当しない場合でも、 自費サービス(介護保険外)のリハ施設 や、 障害者総合支援法に基づくサービス(高次脳機能障害・身体障害者手帳がある場合など)が選択肢になることがあります。お住まいの市区町村窓口に確認してみてくださいね。
Q3. 医療保険のリハとの違いは?
医療保険のリハ(病院のリハビリ)は、 医師の指示のもとで、疾患別に日数制限があります 。脳血管疾患の場合は発症から180日が原則上限。一方、介護保険のリハ(デイサービス/デイケア)は 日数制限がなく、長期的に継続できる のが特徴です。「医療保険のリハが終わったら、介護保険のリハへ」というのが、よくある流れです。
Q4. ケアマネさんにどう相談する?
すでにケアマネジャーさんがついている方は、 「リハビリに重点を置きたい」「ST/PT/OTのいるデイを探したい」 とストレートに伝えてOKです。ケアマネさんは地域の事業所情報に詳しいので、 複数候補を提案してくれる はずです。「介護サービス情報公表システム(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)で自分でも調べた」と伝えると、より具体的な相談ができますよ。
Q5. リハ特化型と一般デイの両方を使える?
はい、 同時併用は可能 です。たとえば「週2回はリハ特化型でリハ、週1回は一般デイでお風呂と食事」という組み合わせ方もできます。ただし、 月の支給限度額(要介護度別の上限) に収まる範囲での利用になります。ケアマネジャーさんに 「平日のうち何日、どの目的で、どこを使うか」 を整理してもらうのが近道です。
Q6. 体験利用は無料?
事業所によりますが、 初回見学・体験は無料 にしているところが多いです。ただ、 食事が出る一般デイでは食費だけ実費 という場合もあります。電話で予約するときに「体験は無料ですか?費用はかかりますか?」と確認しておくと安心です。
Q7. STリハって、具体的に何をするの?
STリハの内容は、 対象となる障害によって大きく違います 。
- 失語症の方:絵カード・読み書き・会話練習などの言語訓練
- 嚥下障害の方:飲み込みの筋肉トレーニング・食形態の調整・食事姿勢の指導
- 構音障害の方:発音の練習・口や舌の動きのトレーニング
詳しくは、 高齢の親の食欲がない・むせる時のサインと家族の対応 や むせる症状で病院に行くべき判断基準 もご参考に。
【記事下】より詳しい情報・施設探しは
「もっと近くの事業所を探したい」「他の介護サービスも比較したい」という方は、 介護施設・サービスの検索サイト を活用するのがおすすめです。
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省):https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/ — 公的な事業所データベース。職員配置・加算取得状況まで誰でも調べられる
- LIFULL介護:地域別・サービス別の検索+利用者口コミが見られる
※リンク先は施設検索サイトです(PR)。利用は無料、個人の感想です。
まとめ|年齢で諦めないでほしい
最後に、もう一度だけお伝えしたいこと。
- 40代でも、特定疾病16疾病に該当すれば介護保険でデイサービスが使えます
- リハ特化型デイの料金は1回500〜800円程度 (要介護1〜2・1割負担の目安)
- ST常勤のデイは全国的にとても希少 。地域によっては数えるほどしかない
- 選ぶポイントは「体験」「資格者配置」「時間」「個別/集団」「評価頻度」の5つ
- 迷ったら、まず 市区町村の介護保険窓口・地域包括支援センター・ケアマネジャー に相談を
「もっとリハビリしたい」「家族のために何かしたい」という気持ちは、本当に大切なエネルギーです。
そのエネルギーが、 「使える制度を知らない」だけで止まってしまうのは、もったいない 。
私自身、働き始めて 「自分も知らないことが多かった」 と素直に思いました。だからこそ、同じように悩む方の、 最初の一歩のきっかけ になれたらうれしいです。
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【参考にした情報】
- 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム
- 厚生労働省「令和4年介護サービス施設・事業所調査」
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「介護保険の支給限度額とは」
- LIFULL介護「特定疾病とは|65歳未満も介護保険対象となる16の病気」
- 介護健康福祉のお役立ち通信「通所介護費 単位数一覧 2024年4月改定後」
※本記事は現役言語聴覚士(ST資格保有・臨床経験9年・現在はリハ特化型デイサービス勤務中)うめあかりが、公的データと現場経験を元にまとめた一般的な情報提供記事です。料金・利用条件・事業所情報は2026年5月時点のもので、今後変更される可能性があります。実際の利用判断にあたっては、必ずお住まいの市区町村窓口・ケアマネジャー・各事業所に直接ご確認ください。本記事の内容をもって生じたいかなる結果についても、責任を負いかねます。
ご質問やご相談があれば、お問い合わせからお気軽にどうぞ。


