「子どもの言葉を伸ばす絵本って、結局どれがいいの?」
「本屋に行っても種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない…」
「絵本を読んであげてるのに、なかなか言葉が出てこない…」

そんなママに向けて、この記事を書いています。

私は元 言語聴覚士(ST)として9年間、子どもの言葉の発達 に関わってきました。今は 2児の母 として、毎日わが子と絵本タイムを過ごしています。

正直にお伝えします。絵本は確かに言葉の発達に良いです。でも、絵本選びで悩んでいる時間はもったいない

※本記事は私の臨床経験と公開情報、自身の子育て経験を元にしています。個別の発達相談・診断に代わるものではありません。気になる症状があれば、必ず小児科や保健センターにご相談くださいね。

結論|絵本選びより、選び方と読み方が大事

先に、この記事のいちばん大事なメッセージをお伝えします。

絵本は何を選ぶかより、「どう選んで」「どう読むか」のほうが、ずっと言葉の発達につながります。

  • 「うちの子に合う絵本」は その子が好きなもの が1番
  • どんなにおすすめの絵本も、 反応がない子 はいます
  • 大事なのは絵本そのものより、 絵本を読む時間に何をするか

この記事では、わが家で本当に役立った絵本3冊を紹介したあとに、「絵本より大事な読み方の4ステップ」をお伝えします。

3冊紹介はあくまで入り口。本当に伝えたいのは後半の本質パートです。

現役STママが選ぶ言葉を伸ばす絵本3選

まずはわが家で 本当に何度も読んだ3冊 を紹介しますね。

「これを買えば言葉が伸びます」ではなく、 「うちの子たちにはハマった3冊」 として読んでみてください。

1冊目|『ととけっこう よがあけた』(こぐま社)

対象年齢:1〜4歳

わが家で いちばん読み返した絵本 です。下の子とも今でも一緒に読みます。

この絵本のすごいところは、 歌のように・わらべうたのように読める こと。「ととけっこう よがあけた」のフレーズが、自然と歌になります。

そして、私が個人的にいちばん救われた点があります。

上の子は3歳ごろから吃音(言葉のつまり・繰り返し)が出ていたのですが、この絵本を歌のように読むときは、吃音がほとんど出ないんです。

💡 どうして歌だと吃音が出ないの?:研究では、 歌唱と発話で脳の使う経路が違う と報告されています(日本吃音・流暢性障害学会ほか)。歌は発話のリズムが整いやすく、吃音が出にくくなる方が多いと言われています。

「言葉がつっかえちゃう…」と本人がしょんぼりしていた時期、 この絵本を一緒に歌うようにめくる時間が、親子の救いでした

吃音のある子はもちろん、 わらべうたのリズムが好きな1〜2歳の子 にも、いちばんに手にとってほしい1冊です。

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2冊目|『やさいさん』(tupera tupera/学研プラス)

対象年齢:0〜3歳

しかけ絵本で、これも わが家で何回読んだか分からない 1冊。

土の中から、にんじん・だいこん・じゃがいもなどが 「すっぽーん!」 と顔を出すしかけ絵本です。

この絵本の魅力は、 「すっぽーん」というオノマトペが、言葉の入り口にぴったり なところ。

💡 オノマトペが言葉の入り口になる理由:「すっぽーん」「ワンワン」「ぶーぶー」のような 音から成り立つ言葉(オノマトペ) は、子どもの口でも発音しやすく、 意味と音がストレートにつながる ため、最初の言葉として出やすいと言われています(日本言語聴覚学会ほか)。

下の子は、 「すっぽーん」を真似して言うのが先で、そこから単語がじわじわ増えました

しかけをめくる手の動きも、 指さしの練習 につながります。1冊で何重にもおいしい絵本です。

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3冊目|『くだもの』(平山和子/福音館書店)

対象年齢:1歳〜

シンプルだけど、 「コミュニケーションの土台」 を育てるのにぴったりの1冊。

ページごとに、すいか・もも・りんごなどの果物が 「はい、どうぞ」 と差し出される絵が描かれています。

わが家ではこの絵本を読みながら、 「はい、どうぞ〜」「あーん」のやりとり遊び を必ずしていました。

  • ママが「はい、どうぞ」と差し出す
  • 子どもが「あーん」と食べる真似をする
  • 子どもがママに「はい、どうぞ」と返す

この やりとりこそ、言葉が出る前の土台 なんです。

💡 「やりとり」が言葉の土台になるって?:言葉は「相手に何かを伝えたい」気持ちから生まれます。 「あげる・もらう」「あーん」の経験 は、 コミュニケーションの基盤(共同注意・模倣・視線) を育てると考えられています(厚生労働省 母子保健資料ほか)。

「単語を覚えさせる絵本」ではなく、 「言葉を育む土台を作る絵本」 として、強くおすすめしたい1冊です。

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絵本選びの3つのポイント|年齢別・タイプ別

「他にも絵本を探したい」というママのために、 選び方の3つのポイント をお伝えします。

ポイント1|年齢に合っているか

ざっくりの目安です。

年齢おすすめの絵本タイプ
0〜1歳オノマトペが多い・色がはっきり・しかけ絵本
1〜2歳身近な物(食べ物・乗り物・動物)が大きく描かれた絵本
2〜3歳短いストーリー・繰り返しがある

→ 月齢ぴったりじゃなくてもOK。 少しゆっくりめの絵本のほうが、安心して読めることが多い です。

ポイント2|「指さししやすい絵」か

2歳ごろまでなら、 ストーリーより指さしできる絵本 がおすすめ。

  • 1ページに1つだけ絵がある
  • 絵が大きくはっきり描かれている
  • 身近な物(食べ物・動物・乗り物)が多い

→ 指さしは 言葉の前の大事なステップ 。指さしできる絵本は、結果的に言葉のきっかけになります。

ポイント3|「子どもが手に取った絵本」を選ぶ

これがいちばん大事。

私の本音をお伝えすると、 「STのおすすめ絵本」より「うちの子が好きな絵本」が、絶対に1番 です。

どんなに専門家が推している絵本でも、 子どもが興味を持たなければ、言葉は乗ってきません

→ おすすめは、 図書館や本屋に子どもを連れて行って、本人が手に取った絵本を選ぶ こと。図書館なら何冊借りても無料なので、 気軽さで試せる のが最高なんです。

🌟 実は絵本より大事なこと|読み方の4ステップ

ここからが、 この記事の本当の本題 です。

絵本を3冊そろえても、 読み方が「ただ読み聞かせる」だけ だと、言葉が伸びにくいことがあります。

私が現場で何百組の親子を見てきて、本当に大事だと思っているのは 「読みながら何をするか」

ここでは、 わが家でも実践している4ステップ をお伝えします。

絵本を読むときの4ステップ|視線を合わせる・指さし・真似・どれが好き?を選ばせる

ステップ1|視線を合わせる

絵本を読むとき、 ママは本を、子どもは本を 、というように 「お互いが本だけを見ている時間」 が長くなりがちです。

そこで、 1ページ読むごとに、子どもの顔を見てみる

「ワンワンだね」と言ったあと、 「ね?」と子どもの目を見る だけでOK。

「あなたと一緒に楽しんでるよ」 が伝わる瞬間が、言葉のいちばんのエンジンになります。

💡 共同注意(きょうどうちゅうい)って?:子どもが「あ、ワンワン!」と指さしたときに、ママの方を振り向いて「ねえ、見て!」と気持ちを共有しようとする動き。 言葉が出る前の土台 とされています。

ステップ2|指さしをしてみる

ママが先に 絵を指さして みせる。「ほら、ワンワン」「ここ、お花」と、 指の先を絵に置く

子どもは ママの指の動きをよく見ています 。指さしを真似することから、「自分も指さしてみようかな」につながります。

→ 指さしが出ない時期は、 ママが指さしを「見せる」だけでも十分意味があります

ステップ3|真似してみる

子どもが何か声を出したら、 ママもそれを真似してみる

「あー」と子どもが言ったら、ママも「あー」。 「ぶー」と言ったら、ママも「ぶー」。

これだけで、 「自分の声が返ってきた!」 という体験になります。 声を出す楽しさ が育つ瞬間です。

→ 逆に、 ママの言葉を子どもに真似させようとしないこと 。「言ってみて」「これなに?」を繰り返すと、言葉のプレッシャーになりやすいです。

ステップ4|「どれが好き?」と選ばせる

最後に、 絵本の中から選ばせる 質問をしてみます。

「りんごとバナナ、どっち食べる?」 「赤いお花と黄色いお花、どっちが好き?」

指さしで答えるだけでOK。 「自分の意思を伝える」経験 が、言葉のエンジンになります。

→ 言葉で答えなくても、 指さしで答えられたら大成功 。「○○がいいんだね」とママが言葉にして返してあげましょう。


この4ステップは、 どの絵本を読んでも使えます 。3冊紹介した絵本でなくても、 手元にある絵本で今日から試せる のがいいところ。

絵本を「読み聞かせる時間」ではなく、「やりとりする時間」に変える 。これが、ST視点でいちばん大事なポイントです。

それでも反応がないときは|焦らなくて大丈夫

「4ステップやってみたけど、子どもが絵本に興味を示さない…」というママへ。

ここで知っておいてほしい本音があります。

「絵本に反応しない=言葉が遅れる」は嘘

絵本に興味を持たない子は、現場でも普通にいました。

  • 動くもののほうが好きな子(ボール・車)
  • 音が好きな子(楽器・効果音)
  • 体を動かすのが好きな子(かくれんぼ・シャボン玉)

→ こういう子は、 絵本以外の遊びで言葉が育つ ことがほとんど。絵本に固執しなくて大丈夫です。

その子のペースを尊重する

私自身、わが家の下の子は 絵本より外遊びが好きな時期 がありました。

「絵本を読まないと言葉が遅れる!」と焦って、無理に読み聞かせようとした時期もあります。でも、 嫌がる子に読み続けても、いい時間にならない んですよね。

そこで、 絵本タイムは寝る前の5分だけ にして、日中は 外遊びや手遊び歌で言葉を育てる ようにしました。

→ 結果、 下の子は2歳半から急に言葉が増えました 。絵本にこだわらなくても、言葉は伸びます。

それでも気になるときは

ただ、 「3つの土台」(聞こえ・指さし・模倣) に気になる点がある場合は、絵本どうこうの前に 保健センターや小児科に相談 してみてください。

→ 詳しくは 子どもの言葉が遅いと感じたら?1〜3歳のママへ、現役STママの完全ガイド でも解説しています。

→ 2歳に絞った「様子見でいい子・相談すべき子」の見分け方は、 2歳でまだ単語が出ない…STママが教える『様子見でいい子・相談すべき子』の見分け方 もあわせてどうぞ。

うめあかりからの本音メッセージ

最後に、ひとりの母として、本音をお伝えしたいです。

絵本選びで悩んでいるママを見ると、 「ちゃんとした絵本を読み聞かせなきゃ」というプレッシャー を感じている方が多いなと思います。

でも、本当は逆。

絵本は、ママと子どもがゆっくり過ごす時間の入り口 です。

「正解の絵本」を探すより、 「子どもが好きな絵本を、ゆっくり一緒にめくる時間」 のほうが、ずっと大事。

そして、 言葉を出させようと頑張らなくていい んです。

「言ってみて」「これなに?」を繰り返すより、 視線を合わせて、指さして、真似して、選ばせる 。この4ステップを心がけるだけで、 絵本タイムが「やりとりの時間」 に変わります。

私自身、上の子の吃音、下の子の言葉のゆっくりさで、何度も焦りました。でも、 「ゆっくり一緒に過ごす絵本タイム」が、親子にとってのお守りの時間 になっています。

完璧じゃなくて大丈夫。 今日、5分だけ、お子さんの好きな絵本を一緒にめくってみる 。それだけで十分です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 絵本は1日何分くらい読めばいい?

「○分以上読まないとダメ」という基準はありません。 子どもが集中して楽しめる時間 がベスト。1〜2歳なら 5分でも十分 、3歳以降は10〜15分くらい楽しめる子も。 嫌がったらすぐやめる のが、絵本嫌いにしないコツです。

Q2. 同じ絵本ばかり読みたがるのは大丈夫?

大丈夫です。むしろ 歓迎して ください。子どもは 繰り返しで言葉や物語を吸収 していきます。「またこの絵本?」と思っても、 読むたびに新しい発見をしている ことが多いです。同じ絵本を100回読んだという話も、現場でよく聞きました。

Q3. 読み聞かせ中に集中しないのですが…

1〜2歳の子は、 1冊を最後まで聞けないのが普通 です。 ページを飛ばしたい、戻りたい、めくりたい ……それも全部OK。 「子どもの興味についていく読み方」 に切り替えると、絵本が嫌いになりにくいです。「ちゃんと最初から最後まで読む」にこだわらなくて大丈夫。

Q4. 動画や音声絵本だけじゃダメ?

動画や音声絵本は 補助としてはOK 。ただし、 「一方通行のメディア」だけだと、やりとりが生まれにくい ため、言葉の発達には限界があります(日本小児科医会の指摘ほか)。 ママと一緒にめくる時間 とのバランスをおすすめします。

Q5. パパや祖父母が読み聞かせるのは効果ある?

もちろん効果があります。むしろ 「色々な人の声・話し方」を聞ける ので、 言葉の幅が広がりやすい とされています。パパには 動きのある絵本 、おじいちゃんおばあちゃんには 昔話やわらべうた 、と分担するのもおすすめ。

Q6. 高い絵本セットを買うべき?

正直、 不要だと思います 。月齢別の絵本セットは便利ですが、 「うちの子が好きかどうか」は、買ってみないと分からない のが現実。 図書館で何冊か試して、ハマったものだけ買う のが、いちばんコスパよく失敗しないやり方です。

まとめ|絵本は「読み方」が9割

最後に、もう一度だけお伝えしたいこと。

  • 現役STママのおすすめ絵本3冊: 『ととけっこう よがあけた』『やさいさん』『くだもの』
  • でも本当に大事なのは、 絵本選びより「読み方の4ステップ」
  • 4ステップ= 視線を合わせる・指さし・真似・選ばせる
  • 絵本に反応しない子もいる。 その子のペースを尊重して、絵本以外の遊びも大切に
  • 気になる発達のサインがあれば、 保健センターや小児科に相談 してOK

絵本タイムは、 「言葉を出させる時間」じゃなくて、「親子でゆっくり過ごす時間」

そう思えると、 ママの肩の力が抜けて、結果的に子どもの言葉も伸びてきます

今日の夜、お子さんの好きな絵本を1冊だけ、 視線を合わせながらめくってみてくださいね

このページが、絵本タイムに悩むママの心を、少しでも軽くするきっかけになればうれしいです。


【参考にした情報】

  • 厚生労働省 母子保健関連資料(言葉の発達のめやす)
  • 日本小児科医会 メディアと子どもの関わりに関する提言
  • 日本言語聴覚学会 関連資料
  • 日本吃音・流暢性障害学会 関連資料
  • 大阪小児科医会「乳幼児の言葉の遅れQ&A」
  • 神戸大学医学部小児科 森貞直哉「こどもの言葉と発達の見方・促し方」

※本記事は私の臨床経験と公開情報、自身の子育て経験を元にした内容です。個別の発達相談・診断に代わるものではありません。気になる症状や発達面で不安があれば、必ず小児科・保健センター・療育機関などの専門家にご相談ください。

ご質問やご相談があれば、お問い合わせからお気軽にどうぞ。