「親が鶏肉だけ残すようになった」

「つくねにしたのに、なぜか食べにくそう」

「やわらかいはずなのに、口の中に残っている」

介護の食事で、鶏肉って意外と難しい食材だと思います。

私も現場で見ていて、鶏肉は調理しだいで食べやすさが大きく変わる と感じてきました。

この記事では、現役STの視点で、鶏肉が食べにくくなる理由と、家で使いやすい代わりの主菜、宅配食の使い方を整理します。

※本記事は一般的な情報提供です。むせが増えた、体重が落ちた、発熱がある、食後の声が湿るなどの場合は、自己判断で食事形態を変え続けず、主治医・歯科医師・管理栄養士・言語聴覚士などへ相談してください。

結論|鶏肉にこだわらなくて大丈夫

先に結論からお伝えしますね。

高齢の親が鶏肉を食べにくそうにしている時、無理に鶏肉でたんぱく質を取らせようとしなくて大丈夫 です。

鶏肉が食べにくい3つの理由

鶏肉は、次の理由で食べにくくなることがあります。

  • 冷めると硬くなりやすい
  • パサついて口の中でまとまりにくい
  • つくねにしても硬さが残ることがある

「やわらかい肉を選んだつもりなのに、口に残る」

「ミンチにしたのに、飲み込みにくそう」

こういうことは、珍しくありません。

なので私は、鶏肉を頑張るより、煮魚・豆腐・茶碗蒸し・麻婆豆腐・ひきわり納豆 などに置き換えるのも、かなり現実的だと思っています。

鶏肉が食べにくい理由|冷める・硬い・パサつく

鶏肉は、健康な時は「ヘルシーで食べやすい食材」に見えますよね。

でも、噛む力や飲み込む力が落ちてくると、急に難しくなることがあります。

冷めると硬く感じやすい

鶏肉は、温かい時は食べられても、冷めると硬く感じやすいです。

とくに胸肉やささみは、パサつきが出やすいですよね。

高齢の方は、食事に時間がかかることがあります。

最初は温かくても、後半には冷めてしまい、噛む負担が増える ことがあります。

パサつくと口の中でまとまりにくい

嚥下(飲み込み)では、食べ物が口の中でひとかたまりになることが大切です。

💡 まとまりやすさって何?:食べ物が口の中でバラバラにならず、ひとまとまりになって喉へ送れる状態のことです。バラけると、飲み込みにくさやむせにつながることがあります。

鶏肉は、加熱しすぎるとパサつきます。

パサついた肉は、口の中で細かく散らばりやすく、飲み込むまでに時間がかかる。

「水で流し込めばいい」と思うかもしれませんが、飲み込みが弱い方では、水分でむせることもあるんです。

つくねも万能ではない

「ミンチにすれば食べやすいかな」と思って、つくねにすることもありますよね。

もちろん、合う方もいます。

ただ、つくねも作り方によっては硬くなってしまいがちです。

  • 焼きすぎる
  • つなぎが少ない
  • 水分が少ない
  • 大きめに丸める
  • 冷めてから食べる

こうなると、見た目はやわらかそうでも、実際にはパサついて食べにくいことが多い。

私も、鶏肉は「ミンチにすれば解決」とは言い切れない食材だと思っています。

家で使いやすい代わりの主菜

鶏肉が難しい時は、無理に鶏肉で頑張らなくても大丈夫です。

家にある食材でも、使いやすい主菜はあります。

家で使いやすい代わりの主菜

煮魚

煮魚は、身がほぐれやすく、味もしみやすいです。

ただし、魚によっては身がパサつくこともあります。

煮汁を少しからめたり、骨をしっかり確認したりすると安心です。

豆腐料理

豆腐は、やわらかく、家でも使いやすい食材です。

冷奴より、温かい豆腐料理の方が食べやすい方もいます。

とくに湯豆腐、豆腐あんかけ、麻婆豆腐などは、味もつけやすいです。

茶碗蒸し

茶碗蒸しは、なめらかで、口当たりがよい料理です。

ただし、具材が大きいと食べにくくなることがあります。

鶏肉や銀杏などを入れる時は、本人の食べ方に合わせて小さくするか、具なしに近い形もおすすめです。

麻婆豆腐

麻婆豆腐は、豆腐とひき肉を使えるので、主菜にしやすいです。

とろみのあんがあるので、ご飯ともまとまりやすくおすすめしたいメニュー。

辛味が強いとむせやすい方もいるので、家族向けには甘口・薄味から試すのが安心です。

ひきわり納豆

ひきわり納豆は、口の中でまとまりやすく、ご飯とも混ざりやすいです。

納豆が好きな方なら、かなり助かる食材だと思います。

「やわらかそう」だけで選ばない

ここは、現役STとして強く伝えたいところです。

見た目がやわらかそうでも、その人に合うとは限りません。

日本介護食品協議会のUDF(ユニバーサルデザインフード)は、かたさや粘度の目安を4つの区分で示しています。

農林水産省のスマイルケア食も、噛むことが難しい方向け、飲み込むことが難しい方向けなど、目的を分けて整理しています。

介護食は「やわらかいかどうか」だけでなく、噛む力・飲み込む力・まとまりやすさ を見て選んでくださいね。

詳しくは、嚥下食の宅配はどう選ぶ? でも整理しています。

試す時のチェック

新しい料理を試す時は、食べている時と食後を見てみてください。

試す時のチェック

  • むせないか
  • 口の中に残らないか
  • 飲み込みに時間がかからないか
  • 食後の声が湿らないか
  • 本人が嫌がらないか

合わない時は、無理に続けなくて大丈夫です。

食形態を元に戻して、必要なら専門職に相談してください。

宅配食を使うタイミング

在宅介護の食事は、毎日続きます。

毎回、鶏肉を細かくして、煮て、硬さを見て、むせないか確認しましょう。

でも実際はこれを家族だけで続けるのは、かなり大変です。

宅配食を使うタイミング

私は、鶏肉の調理に疲れた日は、宅配食を使っていい と思っています。

手作りをやめる、という意味ではありません。

家族が続けるために、負担を減らす選択肢を持つということです。

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主菜だけ宅配でもいい

宅配食は、全部の食事を置き換えなくてもいいです。

  • 主菜だけ使う
  • 疲れた日だけ使う
  • 家族が仕事の日だけ使う
  • 本人の好きな味を探す
  • 少量から試す

これくらいの使い方で十分。

むしろ、介護は長く続くので、家族が倒れない仕組みを作ること も大切です。

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鶏肉やつくねが食べにくい時は、市販のやわらか食を少量から試すのも一つの方法です。むせや残食が増える時は、無理に続けず専門職へ相談してください。
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受診・相談した方がいいサイン

食べにくさがある時、料理の工夫だけで様子を見るより、先に相談した方がいい場合もあります。

たとえば、次のような時です。

  • 水分で毎回むせる
  • 食後に声がガラガラする
  • 発熱をくり返す
  • 痰が増えている
  • 食事に1時間以上かかる
  • 体重が落ちている
  • 本人が食べることを怖がっている

こういう時は、宅配食やレシピで解決しようとせず、主治医に相談した方が安心です。

必要に応じて、嚥下(飲み込み)の検査につながることもあります。

検査の流れは、VF・VE外来検査の受け方 でも解説しています。

まとめ|食べにくい食材は、無理に頑張らなくていい

高齢の親が鶏肉を食べにくそうにしている時は、次の順番で考えると安心です。

  1. 冷めて硬くなっていないか見る
  2. パサついて口に残っていないか見る
  3. つくねにしても合わないことがあると知る
  4. 煮魚・豆腐・茶碗蒸し・麻婆豆腐などに置き換える
  5. 疲れた日は宅配食も使う
  6. むせや体重低下があれば専門職へ相談する

鶏肉は便利な食材ですが、介護食では難しいこともあります。

食べにくいなら、別の食材に変えていい。

作るのが大変なら、宅配を使っていい。

家族が少しラクになる選択肢を持つことも、介護を続けるために大切だと思います。

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参考にした一次情報

この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状や食事形態の判断は、主治医・歯科医師・管理栄養士・言語聴覚士などへご相談ください。

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