「最近、お父さんが食事のときによくむせるようになって…」
そんなご相談を、私は現場で何度も受けてきました。
ご家族が誤嚥(食べ物や飲み物が間違って気管に入ってしまうこと)を起こすようになると、不安と一緒にやってくるのが「家でどうしたらいいの?」という疑問です。 このページでは、家庭でまずできることを、専門家の視点でやさしくお伝えします。
まずは「むせ=危険」のサインを知る
むせは、本来の体の防御反応です。けれども、頻度や状況によっては、嚥下機能が落ちはじめているサインかもしれません。
たとえば次のような変化が見られたら、注意したいタイミングです。
- 水分(特にお茶や味噌汁)でむせやすい
- 食事中の咳が増えた
- 食後に声がガラガラする
- 「最近やせてきた気がする」
すべてが当てはまる必要はありません。1つでも気になる変化があれば、「いつもと違う」を大切にしてください。
家庭でできる3つの工夫
1. 姿勢を整える
意外と見落とされがちですが、食事の姿勢は嚥下にとても大切です。 椅子に深く座り、足の裏が床にしっかり着く高さを意識してみてください。背中が丸まった状態は、誤嚥のリスクを高めます。
2. 一口の量を減らす
スプーンの種類を、いつもより少し小さめのものに変えるだけで、誤嚥のリスクは下がります。 「量を減らす」のではなく、「一口の量を減らす」のがポイントです。
3. 食事中の会話は、ほどほどに
楽しい食卓は大切です。けれども、飲み込む瞬間は会話を止めるように、ご家族で意識し合ってみてください。
専門家への相談タイミング
セルフケアで様子を見つつも、次のような場合は早めに相談しましょう。
- 食事のたびにむせる
- 体重が短期間で減ってきた
- 発熱を繰り返す(誤嚥性肺炎の可能性)
相談先としては、かかりつけ医・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科などが最初の窓口になります。「言語聴覚士に診てほしい」と伝えていただくと、専門の検査につながりやすくなります。
まとめ
誤嚥は、「気づいた時から」できることがたくさんある分野です。 ご家族の小さな違和感を見逃さず、できることから1つずつ取り組んでいただければと思います。
ご質問があれば、お気軽にお問い合わせからどうぞ。